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私たちは何かに一瞬びっくりしたとき、思わず目を丸くして「目がテンになる状態になりますが、良くも悪くも驚きのサインです。 ですが、驚きの感情を何かの事情があって、隠さなければならないとき、驚きの表情をすぐに何か他の感情を表す表情に変えてしまうので、一瞬の驚きは、よく見ていないと見落とします。 驚きには正確には次の五つの特徴がはっきりと表れます。 @ 眉が引き上げられ、そのため両眉は湾曲して盛り上がる。 A 眉の下の皮膚が引き伸ばされる。 B 額に水平の横ジワができる。 C 瞼が大きく身開かれる。 D アゴが下がって、唇と歯が引き離されて開口しますが、口は緊張しておらず、押し上げられてもいない。 要するに、ちょうど白目の真ん中に黒目が目玉焼きのように見えて、ドキッとした感じが伝わるのが驚きの表情です。 ですが、一般的には驚いた表情は一瞬しか見えず、後はいろいろな表情に変えてしまうことが多いものです。 【あなたの対処法】 ★あなたはしっかり相手の顔を見ていて、一瞬でも驚きのサインが現れれば、何か今の話の中に相手にとって不都合なことか、予想外のいいことがあったのだと早く気づくことが重要です。 たとえば、あなたが車のセールスをしていて、お客が「安いですね。買う方向で検討してみますよ」と言ったとき、相手の顔をよく見てください。お金の話をしたときにパッと目を見開いたら、相手の本心は「え、こんなに高かったのか」という驚きと思ってよいでしょう。 一瞬でもそれに気づいたら、その驚きに対するフォローを大急ぎでやりましょう。 「安いローンも組めますからね」という具合に。そうしないとセールスに費やした時間が全部無駄になってしまいます。
嬉しいことがあっても周りへの遠慮があって、「嬉しい、嬉しい」と大っぴらに言えないときがあるものです。ライバルが目の前にいたり、逆境にある同僚がいたりするときです。 たとえば、高い物件を交渉によって安い値段でまとめられそうなときも、喜びを何とか噛み殺して隠そうとします。あからさまには喜ぶと不利になると思うからです。 ですが、頬の筋肉は盛り上がり、目尻が下がってしまうものです。人間の表情筋は実に正直です。感情の通りに動いてしまいます。 【あなたの対処法】 ★職場で誰かがこんな顔をしていたら、あなたにとっては何かを頼んだり、親しい友達になったりするグッドチャスです。 日ごろ、「話したいなあ」と思っていた人だったら、思いきって話しかけてみたり、どこかに行かないかと誘ってみたりしてみましょう。 さらにあなたが彼と仲良くなるためには、「何かよほどいいことがあったのですね。聞かせてもらえませんか」と持ちかけるのもいいでしょう。相手は、「待ってました」とばかりに話し出すはずです。 お互いのコミュニケーションが快適に進んでいくコツは、「相手が話したいことを聞け」です。 また、あなた自身も不景気な顔をしていないで、こんな顔をして会社の中にいることです。多くの人が話しかけてきて、自然に人脈が広がるでしょう。
元気がない時、パワーがない時など、腹筋や背筋と同じで、筋肉は勝手に下がりたがります。下に下にと下がってだれていくのが筋肉の特徴です。 そこでもしも、これがお腹ならば、私たちは筋トレをするでしょう。毎日、腹筋何回、背筋何回とがんばるはずです。 ところが、顔の筋肉にはそれをやりません。だから、喜怒哀楽の感情がきちんと脳に伝達されない時、表情筋もだらりと力が抜けます。それが「垂れ下がっている」状態です。 このような状態になると、放心状態で、何かよほどひどいことや手に負えないことが起きたのでしょう。今は、ボーッとしているのです。 【あなたの対処法】 ★相手がこういう表情のときに、「どうしたんだ、どうしたんだ」とあまり突き止めてはいけません。少し気長に様子を見ることです。 あなた自身も何かひどいことがあった場合、おそらくこの表情をしているでしょう。ですが、そんな顔をしていると頼りにならないと思われますから、会社の中では、表情筋にはしっかり力を入れておいてください。 「元気ないな、落ち込んだなあ」と自分で感じたら、ただちに顔の筋肉に「エイヤッ」と号令をかけて上に向かって大きく動かしましょう。気持ちの上でも元気が出てくるでしょう。
このサインは、「押し殺した怒り」を表しています。とくに第三者が目の前にいて、言葉ではっきりと「バカ」とか「黙れ」とか「この間抜け」と怒鳴れない時に発生する押し殺した怒りの表情の動きです。 たとえば、上司が商談中に相手を説得するため、「注文が殺到して忙しいので・・・」などと言っている時に、部下が、横から「そんなことはないでしょう」などど口を挟んだ時などに、上司の顔に見られるはずです。 私たちの演技は成員全員によって必ず共通のルールが守られているから成り立つのであって、グループ内の誰かが構成員とまったく違うことを言えば、グループすべての演技が成り立たなくなります。 たとえば、貧しい農家でその家の主婦が素晴らしい食事を気張って出してくれた時に、子どもが横から「いつもはそんなの食べてないよね」と言った時のお母さんの困惑顔などがその例としてあげられるでしょう。 【あなたの対処法】 ★上司の顔にこんな眉のつり上がりが見られたら、あなたは何か上司の意図とまったく違うことを言ってしまったのだと急いで気づくことです。 もちろん、そんな顔を上司がしないように、常に上司の意図を考えながら言葉を聞き、できたら口を挟まないのが賢明です。 わかったふりをして気の利いたつもりの相槌を打ったり、横から口を添えるつもりがとんでもない逆効果になって、上司の怒りを買うことはよくあるものです。本当にその上司を怒らせてしまったのだと早く気づいて、お客様のいないところで必死に謝るのが賢明です。
時代劇の悪代官などが、「ムフフ、とうとうヤツを陥れたわ」などと言う時に、演出家は左右の頬の筋肉を非対称にどちらかだけを斜めに上げるような指導することがあるようです。 見ている人に「あの人は悪人だ」とわかりやすい演技だからです。 つまり、悪巧みがあってそれを隠している、意地悪がある、そんな時、私たちの上下の唇の間のライン(リップライン)は、水平ではなくて斜めにあがっていきます。 【あなたの対処法】 ★もしも、こんな顔をして話す同僚や上司がいたら、あなたとしてはなるべく別行動をすることをおすすめします。 もともと意地が悪いのか、最近いろいろうまくいってなくて、うまくいっているあなたを妬んでいるのか、いずれにしても意地悪、悪巧み、妬み、そねみ、貶めたい、劣等感などのマイナスの感情のサインであることがほとんどです。 あなた自身は絶対にこんな顔をしないように、時々鏡を見て自分のリップラインが水平に保たれているかをチェックしましょう。 左右非対称の頬の筋肉の動きは、顔のもともとの理想的な形と違うこともあって、けっこう目立つものです。
本当に嬉しいことで笑わない限り、普通の人は目尻にカラスの足跡のようなシワを寄せて笑うことはあまりありません。 もし、相手が「カラスの足跡笑い」をしていたら、よほど楽しいこと、無条件に歓迎すべきことが起きているのだと解釈してもいいでしょう。 とても大きな喜びがあると、快感で私たちは大笑いや、いわゆる高笑いをします。目尻にはカラスの足跡が自然に寄ります。 普段見落としがちな小さな笑いの中でもカラスの足跡のようなシワが軽く寄っているのは、家庭的に良いことがあったか、社内で良いことがあったという時の嬉しさのサインです。 【あなたの対処法】 ★相手がこんな顔なら、話しかける絶好のチャンスです。見逃さないで、「良かったですね」と祝福したり、「何があったかお聞かせくださいよ」と持ちかけてみましょう。 相手もこんな時は「いい聞き手を見つけて、この嬉しさを話したい」と思っているので、あなたが聞き手になるとわかって、相手はそれが嬉しくて一気にしゃべりだすはずです。 相手からあなたへの好感をゲットするいいチャンスです。
唇を尖らせて頬をふーっとふくらませるのは、いわゆる「ふくれっ面」であり、子どもがよくやるわかりやすい不満のサインです。 こんな頬をすれば、まわりの人も「ホラ、ふくらんだ、ふくらんだ」などと言って、すぐにからかったり、なぐさめたりして、いろいろと対処ができます。 ですが、成熟した大人は、こんなにはっきりした表情変化をしませ。むしろ、職場で大っぴらにこんな顔をしたら、幼児性の強い人だと思うべきです。大人は目立たないくらい小さく唇を尖らせ、下唇の下がほんの少し持ち上がります。 だから、注意しないと見落としてしまいます。 【あなたの対処法】 ★たとえば、あなたが会社で仕事をしていて、部下に何か注意したときに、こんな表情が部下の頬に出たら、不満があるのだと思って事情を早めに聞いてあげましょう。 不満の感情は、対応が遅れると「欲求妨害」となって相手の心に怒りを生み出すことが多いので要注意です。 たとえば、食事の割り勘などで相手がこんな表情をしたら、それは、「相手よりはもしかしたら自分のほうがたくさん高いものを食べていた」のではないかしらと早いところ気がつくべきです。 相手の不満に早く気づいていくほうが、その不満を積極的な「怒り」の行動に結びつけないですむために、人間関係がスムーズに進んでいくからです。
あなたの会社にも、日頃はそれほどキリッとした顔をしていないのに、何かの話の時にキュッとこの口をする同僚がいたら、それは決意のサインで、「今、燃えて仕事をしていて、今回は、新たに何かいいことか大事な用件が発生し、その話には大いに気乗りしているな、頑張るつもりなんだ」ということに気づきましょう。 もしも、その同僚とあなたが同じような仕事をしているとしたら、きっと彼はあなたの手強いライバルになるかもしれません。 【あなたの対処法】 一方、決意を表す口の形は案外、人から見てはっきりとわかるものだけに、演技しようとして、「今度こそ頑張ります」などと言って、掛け声だけでこの唇の形をして、実際あまり決意していない人もいます。 そうなると、この決意のサインが本当の決意か決意のふりなのかを、目の輝きやアインタクトと唇の結びを関連させて判断する必要があります。 「アイコンタクト」とは、目線の方向、見つめている長さ、目の力の三点を総称した「見つめ」のことです。 ★アイコンタクトの強さと、この唇の形がそろったら、本当に強い決意なのだということに気づきましょう。 あなたもここぞという主張をする時は、この唇が一番おすすめです。
アイコンタクトは相手を見つめる時間の長さ、強さ、方向性の三つから構成されています。 時間の長さについては、二者間の対話時間の中で、日本人の平均的アイコンタクトは1分間当たり32秒、つまり半分以上です。 個人に説得要求がある時、見つめは強くなりアイコンタクトも増えます。 【あなたの対処法】 もしも、あなたがプレゼンテーションなどで、誰かを説得しければならない時、プレゼンでパワーポイントを使った資料作りや、資料の内容だけに力を注いでいるとしたら、それは大筋間違いです。 言葉の内容や声と同じで、当日のあなたの見つめ方が大事なのです。 プレゼンテーションの最重要条件は、資料よりも当日のプレゼンの技量、その中でもアイコンタクトの使い方であるといわれています。 ★「説得したいなら見つめよ」。これはネゴシエーションやプレゼン必勝の鉄則です。
これは「視線回避」であり、その相手に対する心理的な「回避欲求」です。 「あなたと親しくなりたくない」とか、「嫌いです」「関わりたくない」というさまざまな欲求を総称した専門的な呼び方です。 【あなたの対処法】 もしも、会社であなたが同僚と話をしている時に、その同僚が、「あ、雨が降ってきた」と外を見たり、「何時だっけ」と時計を見たり、机の上の書類に目を落とすようであれば、それは回避欲求のサインです。 ★それを無視してさらに追いかけて話しかけたりすると相手は逃げの態勢に入りますから、そういう時はそっとして、相手と距離を保ったほうが無難です。 また、あなたも人と話をしている時、あまり相手の顔を見ないで聞いていると、「関心を持っていない」とか「聞きたくない」というサインとして受け取られますから、話を聞く時は、しっかりと相手の目を見つめて聞くことです。 ですが、黒目の中心だけを見つめようとすると、これは相手の視線恐怖を呼び起こしかねません。 両目の周辺と鼻の中心を結ぶ扁平二等辺逆三角形のあたりを見つめていると、「あなたの話を聞いていますよ」というサインになります。 ⇒続きはこちら |
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