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誰かと会話しているとき、その相手が貧乏ゆすりをしていると、どんな印象を受けるでしょう。 「落ち着きのない人だな」 「会話の内容に興味がないのかな」 「早く帰りたくてイライラしているのかな」 そんな考えが浮かんでくるのではないでしょうか。 なにかとマイナスの印象をもたれることの多い貧乏ゆすりですが、できればしないほうが印象が良くなるのに、人はなぜそんなことをしてしまうのでしょう。 その原因を表す印理学用語に「転位行動」というのがあります。 貧乏ゆすりをしてしまう原因としては、なんらかのストレスがあげられます。それを解消するために足や体をゆらしていると考えられます。 ★欲求不満だったり、イライラする気持ちを、足や体に転位させてゆらすことによって発散しているわけです。それを心理学では転位行動と呼んでいます。 貧乏ゆすりをすると、足元からの刺激が中枢神経に伝わり、イライラや緊張感を緩和させると医学的には考えられています。 貧乏ゆすりはストレスを発散するために行うものなので、行儀が悪いと思ってそれを中断すると、ストレスが解消できなくなり、知らないうちにまた始めてしまうでしょう。 ですから、貧乏ゆすりの癖は、なかなか直せないように感じますが、ほかにストレスを発散する方法があったり、目を向けられるものがあったりすると、案外簡単に解消できます。 たとえば、ガムを噛んだり、飴をなめてみる。気分転換に伸びてみる。トイレにたって気分を変えてみる。そんなちょっとしたことで貧乏ゆすりは防止できます。 貧乏ゆすりが癖になっている人は、自分なりの解消法を見つけましょう。
世の中には、「是々非々(ぜぜひひ)」「忖度(そんたく)」「粛々と」といった政治家や官僚の好んで使う言葉や、「コンプライアンス」「デフォルト」「リスクヘッジ」などのビジネス用語が飛び交っています。 彼らはなぜ、わざわざ難しい言葉を使うのでしょう。 ★その裏には、自分の実力以上に能力があることを見せ付けたいという思いがあるのは確かです。そんな心理を「知性化」といいます。 ですが、それは多分にコンプレックスの裏返しでもあります。 難しい言葉を使う人はプライドが高いので、人から軽く見られるのを恐れる心理が余計に働きます。ですから、背伸びをしてついつい使ってしまうのでしょう。 この知性化は癖になりやすく、一度ハマってしまうとなかなか抜け出せません。話が難しい言葉だらけになってしまうのです。 気をつけたいのは、付け焼刃なので知識が追いつかず、内容が浅くなって話の中身がなくなってしまうことです。 本当に実力のある人なら、別に難しい言葉を使わなくても、誰にでもわかる易しい言葉で表現や説明ができるはずです。難しい言葉を使う人は、使えば使うほど自分の実力のなさをアピールしている人になるかもしれません。
目の前の人が、わけもなく頻繁に頭をかいているなあ、と思ったことはありませんか。 ★この頭をかくしぐさを異性の前で行う場合は、相手に対して恋愛感情があるからだと思われます。 本人は無意識にやっているので気づいていませんが、頭をかけばかくほど「自分はあなたのことを意識しています」とアピールしているようなものです。 どう思われてもいいと思っていれば、緊張したり、恥ずかしくなったりという感情もわかないので、頭をポリポリかくこともないわけです。 一方、ムシャクシャしているときに無意識に頭をかいてしまうのは、ストレスや不安、悩みを抱えている心理状態の表れだと考えられます。 不安や悩みが大きいほど、頭をかく行動は頻繁になります。もっとひどくなると、毛が抜けるほど頭をかきむしる人も出てきます。そうした行動は、ある意味リストカットなどと同じ自傷行為です。そうなる前にぜひストレス解消をすることが大切です。 また、人に褒められたり冷やかされたりしたときに、私たちは照れ隠しに「頭をポリポリかく」ことがあります。これは、心理学的には「自己接触」と呼ばれる心を落ち着かせる行為です。つまり、褒められて嬉しいものの、露骨にそれを態度で表すのは恥ずかしいという複雑な気持ちをクールダウンさせるために頭をかくのです。 褒められても澄ました顔でいると「生意気」だという悪い印象になってしまうし、かといって口に出して「照れています」などと言うのも正直すぎます。だから、頭をかいて周囲に「照れているアピール」をするのです。 面白いのは、照れたときに頭をかくのは日本人特有のリアクションで、海外ではちょっと様子が違うようです。鼻をかいたり、アゴをさする、など国によってそのしぐさはいろいろです。
あなたの近くにも、こんなことを言う人はいませんか。 「今日は寝不足で調子が悪く、今日の試験はうまくいかないかも・・」とか、あるいは、カラオケでマイクを向けられたときに、「今日はノドの調子がイマイチで・・」などと、すでに言い訳をしているような人です。 ★こうした、「自分にとって不利なことを、わざわざ言ったり行動したりする」ことを心理学では「セルフ・ハンディキャップ」といわれています。 私たちは自己防衛本能がありますが、セルフ・ハンディキャップもそのひとつです。失敗したときの言い訳を用意しておいて、自己を守ろうとしているのです。 試験の結果が悪かったのは、掃除ばかりしていたとか、ゲームをしていたのが原因で、本来持っている自分の力はもっと高いと思いたいのです。 ★つまり、自信のない人ほど、自分が失敗したときの「言い訳」を用意し、自らハンディキャップを背負ってショックを和らげようとするということです。 予防線を張っておくことで、たとえ失敗しても「ちゃんとやっていればできたはずだ」と自尊心を守れるので、ついつい口にしてしまいがちなのです。 ですが、自信がないことを表明しているようなものですから、セルフ・ハンディングキャップをすればするほど、「この人、また言い訳している」と、周囲からの評価は下がるばかりでしょう。
あなたの上司にも、なにかにつけて「昔は良かった」「あのときは、ああだったなあ」となどと言う人がいませんか。 ネット上で使われる若者言葉に「思い出補正」という言葉があるそうです。 ゲームなど、子どもの頃に体験した遊びは、「楽しかった思い出」として残っているけれども、大人になった今、同じことをしてみたらそれほどでもなかったというときに、「思い出補正がかかっていた」というふうに使うそうです。 若者たちでさえそう思うのですから、人生経験の長い大人が「昔は良かった」「あの頃が最高だった」と思うのは当然かもしれません。 それにしても、人はなぜ、昔のほうが良かったと思うのでしょう。 ひと口に過去の思い出といっても、良い思いでもあれば嫌な思い出でもあります。どんな記憶でも、最初は同じように脳の中に記憶されているはずです。 ★ですが、人間の脳は都合よくできていて、嫌な記憶には無意識に抑制がかかって、思い出しにくくなってしまうようなものです。それが「抑圧」という心理メカニズムのようです。 また、この自分の生き方を否定したくないという思いから、脳に残った記憶が美化されて、「素晴らしい思い出」に加工・補正されてしまうことも「昔は良かった」と感じてしまう一因です。 いすれにしても、口を開けばすぐに「昔は良かった」と言い出すのは、今の自分の人生が退潮状態にあることを周囲に披瀝しているようなものです。
私たちが無意識に行うまばたきの回数の平均は、成人男性が1分間で20回、女性では15回程度だとされています。 まばたきの役割は、目の表面を涙で潤し、乾燥を防ぐことですが、まばたきの役割はそれだけではなく、その人の心理状態を回数で表してもいるのです。緊張状態と弛緩状態、集中しているときとそうでないときでは、まばたきの回数が明らかに違います。 たとえば車を運転しているときや、リラックスしてハンドルを握っているときは、まばたきの回数は通常の半分ほどまでに減りますが、加速したり頻繁に車線変更したりするなど緊張状態にある場合は、逆に回数は上昇します。 ★そんなふうに、無意識にまばたきが増減する現象を「不随意性瞬目(ふずいいせいしゅんもく)」というようです。 容疑者が嘘をついていない場合は、雑談のときと尋問のときで、まばたきの回数にほとんど変化は見られません。ですが、嘘をついている場合は、尋問のときに瞬きの回数が異常に多くなるそうです。しかも、目も泳ぐ回数が増えるということです。 それらは、どちらも容疑者が嘘をついているサインになりますから、有能な刑事はそれを見逃さないでしょう。 もし、あなたの彼氏や彼女が、なにかを釈明しようとしているときに、瞬きの回数が多くなったかどうかをチェックしましょう。
学生時代の同窓会に行ったことのある人なら、誰もが経験し、軽くショックを受けることがあります。 それは、集まった面々の顔を見たときです。もちろん歳相応の人は大勢いますが、中にはいつまでも若さを保っている人がいるかと思えば、妙に老け込んでいる人もいて、同じ年齢なのに、「この差はどうしてなんだ」と考え込んでしまう人もいるでしょう。 ある医学博士は、それは「口癖の差」だといいます。つまり、老化が始まるかどうかは、その人が発する言葉によるというものです。 口癖で「もう歳だから」とか「もう若くないから」という言葉をよく口にしている人は、心や体の「老化時計」が一気に進んでしまいますので要注意です。 心理学用語に「自己成就的予言」というのがあるそうです。 ★たとえ根拠のない予言(思い込み)であっても、その人がそれを信じて口にしたり行動したりすることによって、結果として予言(思い込み)通りの現実が作られるという現象をいいます。 つまり、「もう若くない」「歳だから」と言えば言うほど、口癖にしてしまうほど、本当に歳をとってしまい、老け込んでしまうということです。 同窓会で妙に老け込んでいる人は、「歳だから」と口癖にしていたのかもしれません。 では、いつまでも若い人、若さを保っている人はどうなのかと言えば、少なくとも老け込んでいる人のようにネガティブな言葉を口癖にはしていないはすです。それどころか、「まだまだ若い」「やるぞ」「人生はこれからだ」といったポジティブな言葉を口癖にしているはずです。 加齢は自然現象ですが、老化は早めるか、止めるかは、あなたの心が作り出しているのです。
人と人とが目を合わせるという行為は、良好な人間関係を築く上でとても重要です。 恋愛心理学などでは、「アイコンタクト」といわれているものです。 ★アイコンタクトは、言葉を使わないコミュニケーション法ですが、それだけに勘違いしやすい面もあります。 たとえば、職場で仕事をしているときに、男性のA君が女性の同僚のB子さんと目が合ってしまった。思わず目が離せないでいると、彼女も目をそらさずに自分を見つめている。これは果たして彼女の「脈あり」なのか、あるいは「脈なし」なのか、どちらでしょうか。 正解は、残念ながら「脈なし」です。 なぜなら、女性は好意のある男性と不意に目が合うと、瞬時に視線をそらす傾向があるからです。 女性が目をそらさないということは、相手をまったく意識していない、恋をする対象としてみていないということです。 ですから、不意に目が合った女性に見つめられたからといってのぼせ上がると、とんでもない勘違いをしてしまいますので要注意です。 男性の場合は太古の昔から培われて狩猟本能があり、獲物を目で追ってしまう習性があり、男性は好きな女性と不意に目があったとしても逆に視線をそらさないことのほうが多いということも女性は知っておきましょう。 ★次に女性から男性をじっと見つめるのは、「脈あり」の可能性が高いです。 たとえば、女性が好きな男性に仕事の相談を持ちかけているようなときには、じっと見つめるでしょう。女性は好きな男性に対して「私の話を聞いてほしい、理解してほしい」という欲求が強く目に表れます。そのため、好きな男性に相談をもちかけるときは、訴えるようにアイコンタクトを取ろうとするものです。
あなたの周囲にも、女性に対して、なにかとからかったり、意地悪な言動でちょっかいを出したりする男性がいませんか。 それは、その女性のことを困らせようと嫌がらせをしているのではないかもしれません。逆に、好きだからそんな行動に出ている可能性もあります。 好きな女性に対して素直になれずに、からかったり意地悪をしたりするなんて、「小学生じゃあるまいし」と言いたくなるかもしれませんが、大人になってもそうした行動に出てしまう男性は意外に多いものです。 ★これは、無意識のうちに本心と正反対の行動を取ってしまう「反動形成」という心理傾向は、女性よりも男性のほうに強く表れるからです。 「好き」という気持ちを悟られないようについ軽口をたたいたり、自分の恋心を否定するために、つい悪口を言ってしまったりするのが男というものです。男性は女性に比べると、言葉で自己表現するのが下手くそです。そのために男性は行動に出やすくなってしまうのです。 ですが、さすがに直情的に行動は起こせないので、思いとは正反対のことをしてしまいます。それが反動形成で、相手をからかいながらも、それでたとえ嫌われたとしても、そばにいたい、触れ合いたいという心理が働いてしまうのです。 子どもの頃は女の子ほうが男の子よりも肉体的にも精神的にも成長が早いといわれています。肉体面はともかく精神面では大人になってもその傾向は続きます。 男性はいくつになっても無邪気な子どもの心を保持していますので、どんなに見た目が大人でも、心の基本的な部分には幼児性を残しているのです。 男性のからかいに閉口している女性は、そのことを理解して、どうか広い心で男性の反動形成を受け止め、受け流し、ときには好意的に反応してあげてください。 |
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