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男性の中には、「女と違い、男とはこういうものだ!」という信念から、やたらと男らしさにこだわる人がいます。 居酒屋で何を頼もうか迷っている部下に対して、「男なら、さっさと決めろ」と注意します。食後、甘いでデザートを勧められると「そんなものは女子どもの食いもので、男の食べるものではない」と断ります。 好きな俳優を尋ねられると、今は亡き高倉健や菅原文太あたりになります。「だって、男のなかの男じゃないか」と理由を述べるといった類の人たちです。
彼らが男らしさにこだわるのは、男らしい性格だからではありません。彼らは、実に男であることに不安を覚えているのです。 フロイトのいうところの「去勢コンプレックス」を抱えているのです。 去勢コンプレックスとは、ペニス至上主義からくる不安心理といっていいでしょう。男性には、成長の過程で、自分のペニスを強く意識し、ペニスこそが世界の根源であるかのように思える時期があります。 そのペニスをほかの男性に引き抜かれ、女性にさせられることを恐れる心理が、去勢コンプレックスです。自分のペニスの力を否定され、男としての失格の烙印を押されてしまうことを恐れる心理です。 去勢コンプレックスを抱いていると、自分の男性としての存在感に不安を感じてしまうのです。 たとえば、自分よりも男らしいと思える男性に出会うと、自分のなかの「男」の部分が崩れてしまうような危機感を抱きます。その不安や危機感を隠すため、ことさら男らしさにこだわるのです。
むろん、去勢コンプレックスを抱くのは、精神の発達が未熟で幼児的性格が潜んでいます。 少年期に精神の発達が止まり、そのまま大人になってしまったケースが多く、去勢コンプレックスを抱く人には幼児的性格が多いといわれています。 聖心の発達が止まるのは、大きなストレスにさらされるケースが多く、「ひどいいじめを受けた」「女の子にいじめられた」「親や教師から極端な体罰を受けた」といった極度のストレスを受けると、人は無力感を味わうことになります。 すると、男の子は自分のペニスを否定されたような気になり、早く男らしくなって、見返してやりたいと思うようになります。そのしきから、去勢コンプレックスにとらわれてしまうのです。
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