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世話好きな人、何でもお節介を焼く人、やたら親切な人は、周囲から見ると、誰かのために役に立ちたいと考えている優しい人が多いと思っているでしょう。 ですが、このような世話好きな人を単に親切だとか優しい人だと見るのは、間違っています。なぜ、世話好きで優しい人に隠された心理の裏側には、人のためといいながら自分を頼って欲しいという気持ちや、尊敬されたいという気持ちが原動力となって世話を焼いている側面があるからです。
人が誰かの助けになるとき、奉仕の心を持って無償で助けになっているかのように言いますが、実際は自分の願望を押し付けているのです。 つき合い始めると、何かと世話をしてくれる人がいるものです。 「子どもが来年、受験で」というと「一昨年、うちの娘が使っていた参考書ですけど、よろしかったらどうぞ」と、参考書一式をくれたりします。あるいは、「今度バンコクに旅行に行くのですが、見所をご存知ですか」と尋ねると、わざわざ調べて、調べて教えてくれたりします。 そんな世話好きな人たちは、単に親切なだけではありません。彼らは、他人に自分の願望を押し付けずにはいられないタイプなのです。 世話を焼くのは、むろん好意があってのことではありますが、それは一方で自分のためでもあるのです。
彼らは、心理学でいう「同一視」しがちなタイプなのです。 彼らは、世話をする相手と自分を同一視しているため、自分が世話をしたことで、相手が成功すれば、同時に自分の願望を実現させたという満足感を得ることができます。 たとえば、参考書を使ってくれと差し出す人は、かつて字の子どもの受験自分に何かと世話を焼いて、なんとか志望校に生かせた。 その幸福感をもう一度味わいたくて、他人の子どもの受験も応援しようとするのです。あるいは、自分の子どもが志望校に行けなかった場合には、他人の子どもの成功で満足感を味わおうと、世話を焼くのです。 旅行先のことを調べてくれる人も、同様です。 本当は自分が旅行に行きたいのですが、お金や時間の都合で行けない。そこで、他人の旅行の世話をして、自分も旅行したような満足感を得ようとしているのです。 むろん、それは親切なことではありますが、問題は、相手の状況に関わらず、おかまいなしに世話を焼くことです。相手の都合を考えず、同一視から生じる自分勝手な欲求のまま、世話を焼くので、「小さな親切、大きなお世話」ということにもなりかねません。
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