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何かというと数字を示す評論家や政治家がいます。それで信頼を得ているようですが、すべての数字に真実があるとはかぎりません。 19世紀後半、イギリスで二度にわたって首相を務めたベンジャミン・ディズレーリが面白い言葉を残しています。 それは「嘘には3種類ある。まず普通の嘘であり、次にいまいまして嘘であり、三つ目は統計である」。
統計自体に問題がなくても、私たちはそこから導き出された数字にはコロリと騙されてしまうことがありますね。ディズレーリの言葉は、それをうまく言い当てているのです。 なぜ騙されてしまうのかといえば、人には「数字信仰」とでもいうべきものがあるからです。たしかに「1+1=2」は、誰でも異論を挟めない真実です。だからといって、すべての数字が絶対的なものと思い込むのは大きな錯覚です。 たとえば、内閣支持率は30パーセントを割ると「危険水域」といわれていますが、この数字が意味するのは、足し算の答えのような絶対的心理ではありません。 ある調査は、「無作為に選んだ電話番号(固定電話)」にかけてアンケートをとっている」そうですが、最近の若者には固定電話を持たない人が大多数です。となると、この調査は若者の占める割合が低くなっているわけで、正しい支持率とはいえなくなります。 またある調査では、「昼間に電話をしてアンケートを取った」とされていますが、その時間に自宅にいるのは高齢者と主婦、そして自営業者などにかぎられます。つまり、ビジネスパーソンの答えはごっそり抜け落ちているわけです。こんな抜け落ちがありながら、その数字を信頼できるものとするのは問題があるでしょう。
そもそも数字というのは、人間が意味を読み取るものです。数字には、それを提示した人間の主観が込められています。それを加味せず、「数字は客観的だ」と考えているようなら、あなたは相手の術中にはまっているのです。 逆にいえば、数字を示すと相手を納得させやすくなるわけです。 このテクニックを応用すれば、会議や議論が苦手な人でも、心理的に相手をリードすることができます。 発言やプレゼンテーションの際、少なくとも10個以上統計数字を入れてみましょう、その場合、政府発表や調査機関が公表したものなど、数字の出所がはっきりしているものであれば、さらに効果的でしょう。 |
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