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嫉妬心というのは実に不思議なもので、自分よりはるかに優れた容姿や才能を持っていたり、育ちのいい人物には「別の世界の人」という印象を持つため、それほど嫉妬しません。 ところが、自分よりやや上か、同程度の人物が、ちょっとした幸運によって成功したり名声を得た場合には、「なぜ、あいつだけがそんないい目にあうのだ」と受け入れがたく感じます。 これに対し、自分より下だった人物が、下積みの苦労をした末に出世すると、拍手をおくりたい気持ちになったりするものです。 身勝手なものですが、相手に対するちょっとした優越感が親近感に変わるわけです。
不幸な生い立ちに負けずに出世して、努力の結晶ともいえる豪邸を建てた人には「本当に努力家だわ」「見上げたものだ」と賞賛しますが、自分と同じ、または少し上ぐらいの人が豪邸を建てると、「成金の悪趣味な家」「身の程知らず」などと批判するのは、そうした心理をよく表しています。 @ 豊臣秀吉が人気があるのも不幸な生い立ち 豊臣秀吉が織田信長と比べて人気があるのはそのためです。 若い頃に信長の草履を懐で温めていたという話を聞くと、権力者となった後の狡知に長けた秀吉の姿など、どこかに消し飛んでしまうのです。 A スターの売出しにも不幸体験を活用 歌手やタレントの売出しにも、この心理はよく利用されています。 スターになるための要素はいろいろあるでしょうが、幅広い人気を得るためには、片親に育てられて子どもの頃から苦労したとか、病身の親を養ったなどの不幸体験があればなおよしとされていたそうです。 こうしたことから分かるように、不幸な話を喜々として語る人は、周囲に対して「私はこんな不幸を味わってきたのだから、いいことがあっても当然だ」「私は悲劇のヒロインなのだから、哀れんで欲しい」という免罪符や同情を求める心がないとは言えないでしょう。 意識的にしている場合も、無意識の場合もありますが、どちらにしても「自分を守ろう」という気持ちが強いと思われます。 |
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